神戸市文化財情報

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南僧尾観音堂

 承和7年(840)創建と伝える恒例山新善寺の元本堂です。新善寺は天正6年(1578)兵火で焼失しましたが、本堂は焼失を免れ、豊臣秀吉の命で修復されました。以後村の観音堂として守られ、仏壇内で発見された「堂頭日記」は、延徳元年(1489)~天正12年(1584)の村人の生活記録として貴重す。境内の地蔵堂は、厨子と共に17世紀後期の建立と推定、「鶴沢大助太夫之碑」は、当時の浄瑠璃の流行をしのばせます。  観音堂は、四面に庇を設け、三面は縁、背面の庇は後陣に取り込みます。柱は円柱、隅柱上にだけ舟肘木を備え、正面三間と両側面前方第一間を扉構えとし、その他の柱間は板壁、堂内は前3間、後2間に二分します。和様の、全体に簡素な建物です。  造立は「堂頭日記」冒頭の御頭行事の記載から、堂の建立は延徳元年を下らぬことが察せられますが、特定できていません。須弥壇は禅宗様、厨子は方一間、和様を基調とした折衷様で、観音堂と同時代の作と考えられます。  元禄、文政期の大修理の際にも、当初材の多くを残し、遺存状況は極めて良く、室町期の三間堂として貴重な遺構です。

年代

室町

種類

建造物

文化財種別

有形文化財

指定区分

県指定重要有形文化財

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